家づくりの中で、よく勘違いされること、
「二人暮らしだし、平屋でいい」
こういう話をするお客様がいらっしゃいます。
サイズはコンパクト、二階は使わない、
最低限の部屋数と間取りで十分暮らせるから、
おそらく、こういう発想からなのでしょうが、
平屋に対する間違ったとらえ方をするお客様が、
悲しいことに、あまりにも多いので、
今日は真剣に平屋を少々語ります。
二階建てと平屋建て、パッと見ると、
二階建ての方が家として大きく、
結果、コストがかかりそうですが、
同じ大きさならば、平屋の方が高いのです。
同じ大きさであればですからね。
例えば、家のサイズを40坪で考えてみましょう。
40坪で二階建てであれば、
総二階なら、1階20坪2階20坪、
合計の40坪ですよね。
40坪で平屋建てであれば、
1階だけで40坪ですよね。
20坪の1階の家と、40坪の1階の家。
リビングが広いのは、贅沢なのは?
1階ベースで比較するとわかりやすい。
同じ坪数であれば、2階建てより平屋建てが、
基礎が倍、屋根も倍、構造や表面積の増加など、
結果、圧倒的に平屋建ての方が高くなるのです。
30坪超クラスの二階建てと、25坪弱クラスの平屋が、
コスト的には、おそらく同じくらいでしょうか。
「平屋でいい」ではなく、「平屋がいい」でなければ、
簡単には、誰でも建てられる家ではない、
コストだけで考えても、そうなる、
それが平屋なのです。
敷地や周辺環境の問題もあり、
平屋は、二階建てよりテクニックや技術、
そして大きくセンスと経験が問われます。
老後の生活を考えたゾーニングであったり、
明るさや採風の問題であったりと、
考えることは、いろいろです。
例えコンパクトではあっても、
そこには何よりゆとりがなければ、
暮らしや先を考えなければ、
はい、平屋は特に難しいのです。
平屋は、高級路線シリーズなのです。
だから、若い世代ではまずいないのです。
「平屋に憧れる」人が多いのは、
それは、ダイナミックな空間構成だったり、
同じ大きさであれば、二階建てより平屋が、
コストがかかることを知っているからなのです。
間違っても、平屋でいいとは思わないでください。
平屋の方が安い、そういうことはありませんので。