何だか家の話をするのは久しぶりのような、
はい、本来は真面目な家づくり関連のブログです。
今日は、建物の劣化の原因についてです。
お客様からも、質問がありましたのでお答えします。
田舎では、切実な空き家問題があります。
事実、今でも建物は存在するものの、
跡取り(住む人)がいなくなったために、
現在、残念ながらも空き家となっている、
人が住んでいない状態の建物のことです。
空き家がなぜ、特に老朽化が進むのか!?
これには、様々な要因が関係してくるのですが、
まずは、空気の流れの喪失が挙げられます。
通常、人が住んでいればですね、
生活するだけで、窓や玄関を開けたり、
換気扇を回したりで、空気が動きます。
この空気の動きで、湿気なども排出されるのです。
人が住んでいなければ、生活での湿気は起こりませんが、
建物自体が発する湿気を排出することができなくなる、
これがカビの原因となったり、腐食の原因となります。
だからこそ、たまにお身内や親戚の方が、
管理という名目で空き家の窓を開けたりする、
はい、そういうことです。
それから、生活していなければ、
空気も動かない、水も動かないわけで、
特に水まわり関係はですね、
使ってナンボの部材もあります。
ゴムパッキンなんてのは、乾燥が劣化を早める、
使っていないのにではなく、
使っていないからということもあるのです。
それから、ホコリやゴミなどですね。
生活していなければ、ホコリは出ないでしょ!?
いえ、そんなことはないのです。
その仕組みは、よく私もわかりませんけれど、
これには、外的生物が関係していると言われます。
人も住んでいない、カーテンも閉めている、
そういう家は、日光による紫外線殺菌効果もなく、
先ほどのカビや微生物、ネズミその他害虫にとっては、
まさに天国のような環境となるのです。
誰も住んでいないので、襲われる心配もない、
雨風から守られて、安心して生きていける、
特に空き家に対する反応はですね、
ネズミその他害虫のセンサーは凄まじいと言われます。
空き家は特に、狙われるのです。
これはもはや、本能なんでしょうね。
こうして、ホコリやゴミがたまり、
それが原因で朽ちていくこともあるのです。
「カビていく→腐食→さらに害虫の住処→劣化」
空き家の劣化の原因は、主にこの流れです。
では、新築の場合はどうなのか?
24時間換気がついている建物であれば、
多少の空気の流れはありますが、
それでも、この換気量というのは、
あくまでも、シックハウス系対策の、
最低の空気循環排出量だと思ってください。
強制換気が回っているからと言って、
その換気量が十分かと言えば、そうでもない、
それ以外は、はい、空き家と一緒です。
新しいからといって、劣化しないのか、
それは、至ってNOと思った方が良い、
そういうことです。
よく、シャツの黄色染みなんてのがあります。
着ていなかったがために、黄ばんだ、
あれと考え方は一緒のような感じ、
着ていれば、洗うので汚れない痛まない、
着なければ、洗わないので汚れそして痛む、
家に関しても、同じ。
無菌住宅ってのは、まずありえませんから。
家の耐久性は、住まい手の生活、
これも影響しているんですね。
家主を失った空き家は、痛むのが早い、
参考になれば、幸いです。